写仏用下絵作り

33観音の写仏用下絵を作っています。

33観音とは、『法華経』観世音菩薩普門品(観音経)に観世音菩薩が33のお姿に変化して衆生を救済すると説かれています。

どんな時も救いが有ると民間信仰を集め、絵に描かれたりしています。

今回は『諸宗仏像図蘂』を参考にしました。
仏様の図は、時代や宗派によって解釈が様々のため持ち物等が一定でありません。

龍頭観音も諸宗仏像図蘂に沿って描いたものの持ち物が無いと観音様の特定がしにくいので戦国時代の武将の〝長尾景光〟が描いたとされる龍頭観音を思い出し、宝珠と水瓶を持っていただきました。
(巻物を持つ場合もあるようです)

龍頭観音が龍雲に乗り、功徳水が無尽蔵に出るという水瓶から、恵みの香水を地上へと与えているお姿になりました。

2024年 お正月の一枚

辰年の守り本尊は普賢菩薩です。

『延命普賢菩薩』
F6色紙に顔彩・金泥雲母で彩色。
観舟画

普賢菩薩
普賢菩薩は文殊菩薩とともに釈迦の脇侍とされ、華厳経はこの菩薩の法門を説いたものである。
慈悲(修行)を表し罪滅・成仏の功徳があるとされる。

延命普賢菩薩は普賢延命法の本尊で増益・長寿のために修する。

参考書籍「 密教辞典」

『星曼荼羅』

本年の最後の仕事も『星曼荼羅』でした。
今回は、二十八宿像を密教占星法を参考に仕上げました。

この様に伯舟庵では、常にご要望にお応えするよう努めております。
資料では彩色されていないものが多いので、手のカタチや持ち物を模範としその他はお任せいただきました。

日本全国クリスマス寒波で、伯舟庵も真っ白になり、静かに年末を迎えようとしています。

【色紙・写仏の塗りかた】

伯舟庵では現在数カ所で、講師の立場で写仏や仏画を描く事を広めています。色紙はすぐに作品として飾れるので喜ばれています。

色紙に如意輪観音を写仏し彩色をしました。
お身体を塗ります。塗りむらを避けるため首飾り等は無きものと考えて一気に肌色を塗ります。
宝冠の化仏も忘れずに塗ります。

肌色より少し濃い赤みの色を作り、お身体の線に沿って塗り
水でぼかしていきます。 お顔の頬にも赤みをさします。
筆に少量の水を含ませお皿のふちでよく水をきり頬部分に水を塗ります。
赤みの色を頬にのせると水にぼけていきますので、
色と水の境目を、きれいな筆で軽く1.2回なぞります。
色紙は紙がもろいので、さわり過ぎに注意下さい。

宝冠等の金色部分は下地として茶色を塗っておきます。
お衣・髪を塗り、輪郭を墨で描き起こします。

金部分は茶色を少し残して金泥を塗ります。
お身体の線を朱色系統の色で描き起こして出来上がりです。